《 大人げ無いコト(笑) 》 By. ELC


と在る日のミサ。
エースは暇を持て余していた。
自分の番は無く　舞台にも居場所が無いアンコール前の休息。
煙草を吸うにも鞄の中で、かと言って取りに行く程時間が無い。
「あ・・・ニコチン中毒禁断症状だ」
テーブルの上に在る小箱から、飴玉を１つ取ろうとしてライデンに箱ごと奪われる。
「なんだよ・・・・ライデンだってそろそろだろう?」
エースは腕を伸ばし奪回に勤しむ。
「俺は食べる方が禁断症状でるもん」
エースから物が取れたのが余程嬉しいのか、
飴玉を取りだしちらつかせる・・・・。
煙草の代用として食べようとしていただけに、すごく悔しい。
「何やっているのだ?　出番だぞ」
ライデンと飴の攻防をやっていたエースは、呼びに来たデーモンの所為で
第一ラウンド敗北する(笑)
(ちっくしょ・・・・う)
エースは先に出て行く二名の背中を尻目に、何か仕返しを考えていた。
いや、そうでもしない限り集中できない。
(とにかく・・・・何か口にしておこう)
珈琲でも飲んでおこうとコップに粉を入れた所で、
窓の外にスタッフが何かを受け取る姿が見えた。
(・・・・・・・・・・・・・・あっ　あれはっ!?)
エースは口元をほころばせると搬入口へ駆けて行った。


アンコールにて。
ステージに構成員が戻ってくると歓声が沸き起こる。
が、即座にざわめきに替わった。
長官の姿が無いのだ。
「エース長官はどうしたのだ?」
マイクを通さず小声で確認しあう。
すると、
「いえーい♪　心配かけてゴメンよぅ」
コートを肩に掛けたままステージの中央までエースが舞い戻ってくる。
「よし、今日のMCは遅刻したエース長官にしてもらおう」
デーモンはやけに楽しそうにしているエースの肩を叩くとマイクを渡す。
「いぇーい!!　俺もうすぐニコチン切れでさ、
　ミサの途中なのに集中できなくなっちまう所だったんだぜ!!」
エースの言葉に会場に笑いが起こる。
会場の反応に満足げに頷くと、
エースは片目を閉じて見せ、懐から何か取り出した。
「でも、大丈夫!!　ライデンがミサの後に食う予定だった弁当を
　俺の為に分けてくれたぜっ!!!
　そんでもって、かき込んで食って来たから全快だぜぃ」
マイクを使って叫ぶと胸ポケットから取り出した箸を客席に投げたのだった。
「なにーーーっ!!!」
エースの言葉にライデンが即座に反応して、
デーモンがその様子に笑い転げている。
軽く舌を出し客席と構成員におどけて見せると身を翻し、
満面の笑顔で立ち位置に戻るエースだった。


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私が貢がせて頂いたイラストのイメージで、
ＥＬＣ様がステキなお話を書いて下さいました。vvv

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